「それで、今度、仁葉もママとおうちにおいでって言われたんだ」
「え、すごいじゃない!」
梓ちゃんがきゃーっと手を合わせて笑う。
「じゃあ、光さんにも会えるのね!
おめでとう、仁葉!」
「よかったな」
ふたりとも、自分のことみたいに喜んでくれて……すごくありがたい。
「……うん」
────でも。
でもね、仁葉はそんな風に喜べないの。
「……なにかあるの?
仁葉、不安そうな表情してるわ」
背に手を添えてくれて、梓ちゃんの方がずっと不安そう。
心配してくれてるんだよね。
仁葉の顔を伺っている。
「……本当はね、行くのが、怖いの」
ぽつり。
こぼした仁葉の言葉にどういうこと、と首を傾げるふたり。