それから何事もなかったかのように、美優は仕事に没頭していた。




時間が経つのは早く、もう定時の時間が近づいてきていた。









「さて、キリがいいのでここまでにしましょうか」

「えっ?でも…」

「私もこれから社長の会食に同行致しますので、これで上がります。なので、美優さんもこれで上がってください」

「わかりました」

「では、お疲れ様でした」

「お疲れ様でした」








何も知らない美優は、まさかこの会食が洋輔との会食であり、これからの2人の運命を揺るがすものであろうとは、思いもよらなかった。


知らされるのは、全てが終わった後。




2人の運命のカウントダウンが始まった。