「…ハァ~…。大体は想像できているんだろう?」

「ということは、あの子を物にしたんだな」

「あぁ、勿論だ」

「嫌だね~…。まさか、お前が策士だなんて気付いたら、あの子泣くんじゃねーの?」

「それを気付かせないのも腕の見せ所だろう?」

「…お前、どこまで計算していたんだよ?」








洋輔の言葉に、圭人は疑問を持ち始めていた。









「企業を落とすのも、女を落とすのも何ら変わらない。今回の件に関して言えば、今日美優が襲われることは、全くの想定外だった」

「だろうよ。あの切羽詰まった電話が、想定されていた物だったら、マジ怖いわ!」

「まぁ、その後のやり方は、企業買収するように言葉巧みに操ったけどな。その辺りは想定内の結果だ」

「その父親の会社を買収するのは失敗したけどな」

「…っるせー…」

「で?何て言って落としたんだよ?」

「……何でそれを言わなきゃいけないんだよ…」

「それは……俺の単なる興味!」

「………」








洋輔は圭人のことを冷めた視線で見つめた。