「ちっ。このタイミングでくるとは…」

し…舌打ちっ!?

「ごめんね莉緒ちゃん。大事な時間に…ちょっと待ってて。」


「大事な時間っ!?」


にっこり微笑むと橘さんは鳴り続ける携帯を片手に部屋を出た。


パタン…という音と共に
一気に冷静になる私。


かぁ〜っと顔が熱くなるのがわかる。
やばい!!また橘さんのペースだ!


ベッドから立ち上がり
意味もなく部屋をぐるぐると歩いた。


「落ち着け自分…。」



今気付いたけど,橘さんの部屋ってすっごく綺麗。


本棚には,有名なデザイナーさんの本とか雑誌とか……


とにかく美容に関するものや服に関するものばかり。


机には無造作に本やノートが置かれていた。


ノートには,みっちりと普段の授業のことが書かれていて


時々落書きもある。(笑)


そこがまた橘さんっぽいなぁ…



机をごそごそ見てると



中から出てきた一枚の写真。


「誰だろ……」



そこには,綺麗な女の人がこちらにむかって微笑みかけていた。

まるで…この写真を撮った人に
笑いかけてるように。