「離して…?」


「宮崎…こっち向いて…」


「離してっ!!」


さすがに優真もひるんだのか
握っていた手の力が弱まる。


私はその場から早く逃げたくて
必死に走った。



――はぁはぁはぁ……


正門まで走ると私の目からは
また涙が溢れだした。



意識が朦朧とする中,携帯を出し必死に電話をかけた。


お願い…出て…!!



「もしも〜し♪莉緒ちゃん?」


「橘…さんっ…」


「どうしたの〜?そんなに俺が恋しくなっちゃった?


「…ひっく…」


声を聞いて安心したのか余計涙が溢れて言葉にならない。


「莉緒ちゃん…泣いてるの?」


「泣…いてません…」


「今どこ?」


「ん…学校…」


「待ってて!すぐ行くから。」


そう言うと

橘さんは携帯を切った。