「い…いけません!!そんな…」
「ん,なんで?」
アイスコーヒーをちゅーっと飲みながら
上目遣いで聞いてくる。
またその顔がかっこよくて
どきっとしてしまう。
やばい…!!私このままだとはめられちゃうよ!!
「なんでって…かなり大事なイベントなんですよね!?
それに…私みたいな素人が出るわけにはいきません!!!」
「だからいいんだよ。」
「……へ?」
「素人だからこそ,代わりばえもある。俺達は,完璧なものだけを魅せるわけじゃない。
君の今の悔しい気持ち,無駄にはしないよ?」
――悔しい気持ち……
「俺が君を輝かせてみせる。約束するよ。」
橘さんの目はまっすぐ私を見つめてて,すごく真剣だった。
「俺の…モデルになってくれませんか?」
――ごくり…
思わず息を飲む。
私,この人に賭けてみても良いのかな?
この出会いが偶然じゃなくて
必然であってほしい
…なんて,心のどこがで願ってた。