「何か考え事?」


「あ…ちょっと緊張してるっていうか…」


「緊張?なんで?」


橘さんはきょとんとした顔で聞く。


―はっ!?なんでって…緊張するに決まってんでしょ!!


「だって,モデルですよ?初めてですよ?そりゃ緊張しますよ?」


なんて全部疑問系で返しちゃったもんだから,橘さんは可笑しくて吹き出した。


「あははは!莉緒ちゃんは心配性だなぁ。」


そういう問題かいっ!!


「大丈夫。上手くやろうなんて思わないで。楽しんでくれればいーのっ♪」


「楽しんで…?」


橘さんは「うんっ。」と目尻を下げて頷いた。