一瞬…でも長く感じた沈黙。


電話の向こうからは,私に負けないくらい掠れた声で絵里さんが答えた。


「え…?どうして…」


私は目を閉じて,さっきのことをゆっくり説明した。


絵里さんはその間なにも言わなかった。







「そうだったの…」


ため息にも似た声で絵里さんはやっと口を開いてくれた。


「どうして…どうして美咲さんはこんなことをするんですか?」


絵里さんに聞いても仕方ないことはわかってる。


けど…絵里さんなら答えをくれる気がしたんだ。