絵里さんは何も言わず私を見つめた。



…かと思うとパフェに目をやり
一口バニラアイスを頬張った。


な…なんちゅータイミング…;


「あぁ〜やっぱりバニラアイス最高♪私ね,昔からアイスはバニラが好きなの。」


「そ…そうなんですか…。」


「なんでだと思う?」


「へっ…?」


ふいの質問に戸惑う。
何でって…好きだからじゃないの?(笑)


「わ…かんないです。」


ふふっと笑った絵里さん。


「バニラアイスってさ,なんかあんまり加工された感がないじゃない?だから好きなの。」


「なるほど。確かにそうですよね。」


「でしょっ♪…人間もおんなじ。」

…ん?どういうこと?


私は口に運ぼうとしたアイスを思わず止める。


「どういうことですか?」


「人間も…飾ってないのが一番。無知が一番よ。」


絵里さんはまた写真に目を落とす。


「この人のこと…知りたい?」


ドキッ……



「この人って…その写真の女の人のことですか?」


絵里さんはこくんと頷く。