「んなこたあどうでもいい!!てめぇら、サボってた罰は受けてもらうぜ?」


こりゃあ良い暇つぶしになりそうだ。

木刀で肩をトントンと叩きながら、誰から叩きのめすか野郎共の顔を見回していると、ふと奴がいねぇことに気付く。


「……ちっ。逃げやがったか」

「「「総司の奴いつの間にっ!?」」」








「あれ? 土方さん、汗かいてますけど……てっきり散歩に行ったと思ったのに」


部屋に戻ってみると、掃除を終えたらしい矢央が汗をしたらす俺と青空広がる空を交互に見て言う。


いや、最初は散歩のつもりだったんだがよ、とこれまでの経緯を語ると「まったくあの人達は…」と、一番年下の矢央にまで呆れられるあいつらを少し同情してみた。



「それより汗拭かないと。 そのままだと風邪ひいちゃいますよ」

「…………」


ふいをつかれたと言っていい。

懐から取り出した手拭いで、俺の額から伝う汗を躊躇いなく拭う矢央に俺は動きを止めた。


手が届かないのか、爪先立ちでチョイチョイって……肩がプルプルしてんだけど、なんか面白ぇな。


「だあっ!!足吊るわっ!自分で拭えよ!!」

「……ぶっ!!」


自分からしておいて、余程背伸びが疲れたのか手拭いを顔面に投げつけてきやがった。


……一瞬可愛いじゃねぇかと思ったが、どうやら間違いだ。

断じて可愛いかねえ!!