次に準備に取りかかったのはご馳走たちだ。
クリスマスと言えば、チキンなのでこれは原田と藤堂と井上に頼んだ。
源さんには説明したし、なんとかなるでしょう。
「ケーキかあ。この時代でケーキなんて作れないよね」
「……聞いたことないので、私にもわかりませんが。甘いものみたいなので、甘いもので代用してみては?」
「そうするしかないですね」
*
「で、甘いものの代用が大福ですか」
大量に積み上げられた大福の山を見て頬をひきつらせる。
「けえきを聞いて想像してみたら、甘くて白くて丸くてて皆で食べるものだと言ってたから……」
確かに、甘くて白くて丸いけど。
「まるでお月見みたいですね」
「駄目ですか?」
しゅんと落ち込む沖田は、クリスマスケーキを知らないなりに用意してくれた。
だからかなり違うが、これはこれで良いと矢央は笑顔を見せる。
「じゃあ、洗濯物を片付けて部屋中の飾り付けしちゃいましょうか!! あ、山崎さーん、飾り付け手伝ってくださいよ!って、逃げるな!!」
「お、くりすますとやらの準備は進んでいるようだな。どれどれ俺らも手伝おうか歳」
「なんで俺が。寒いから……」
「動けばあったまります!ほら動いた動いた!!」