ガンッと音がして、新台君が顔を歪める

みんなして綺麗な顔を無駄遣い。

どうやら春香がすねを蹴ったらしい。

「だめだよ新台君。春香は嫌いな人には

とことんきついよ。」

「ははっ嫌いってひどいな〜。っていう

かはじめって呼んでって言ってるじゃん

栞ちゃん。」

そう言って甘い笑顔を見せる新台君。

これで何人かの女の子が悲鳴をあげた。

「ちょっと!!栞に手ださないで!!

他の女子のとこ行きなさいよ!」

春香は新台君をきゃーきゃーいってる

女子のところに押し返すとはぁっとため

息をついた。

「ごめん栞〜私のせいで。」

「ううん。全然大丈夫。それにしても

気に入られてるね。」

「違うわ。あいつはこうやってからかっ

て遊んでるだけよ。現にほら。」

春香の目線の先を見ると、既にたくさん

の女の子に囲まれて甘い笑顔を振りまく

新台君。

なるほどねー。遊び人っていうのは本当

っぽい。

「あんなやつと一条君が親友なんて。」

一条という言葉に敏感に反応してしまう

私。昨日のやりとりが鮮明に思い出され

る。

「一条君ってどんな人なの..?」