心臓の脈打ちが、ボックスの中に響いている。

そんな中、足元の炎が消えた。

今なら、足元を蹴れば抜け出せるかもしれない。

だけど唯一の光りを失った俺には、絶望を感じていた。

チャンスなはずなのに。

真っ暗なボックスで、落ちてくる水。

その水に俺は恐怖を感じていた。

冷たい。こんなに冷たいなんて。


そして水は、勢いを増していった。

冷静になれればただそれだけのこと。

口を運んで飲んでしまえばいい程度の量。

それなのに…。

俺は動くことも出来ず水を受けていた。

狭いボックスの中だ。

すぐにかさ張り、俺の背中を冷やしていく。