全ての水を飲み干せば、助かるのか。10tか…。

無理だ。諦めよう。

よく見れば上は、扉になっていた。この扉を開ければ助かるってことか。
構造から考えて恐らく押して開けるドア。

足で押してみたが、水圧でびくともしない。
ある程度減れば開けることは出来そうだが。

開けた瞬間に水がこのボックスの中に入り込むだろう。そうすれば溺死か。

足元に穴があいているといっても小さいものだ。間違いなく俺は溺死する。
まぁいいか。このまま死ぬのもそれが俺の運命だ。

不思議な程冷静な自分自身にびっくりした。
生きる意味なんてないと思っているからだろうか。

ザーザザー
再びスピーカーのスイッチが入ったらしい。

「先ほど言い忘れたことがある。おまえが脱出しなければ、おまえの彼女は死ぬ。助けたければ助かることだ。ちなみにタイムリミットは今日を含め7日間。7日後までに抜け出せなければ、床が抜け串刺しになって死ぬことになる。覚悟することだ。」