「…柚葉。ありがとう。お母さんのことを想ってくれて。
でもね?お母さんにとっての幸せは、柚葉と遼祐が幸せになることなの。大切な娘と息子が幸せになってくれれば、それ以上の幸せなんていらないの」
私の頭を撫でながらそう言うお母さん
「っでも!お母さんだってまだ若いんだから恋とかしたいって思うでしょ!?」
声を荒げる私
そんな私に優しく微笑むお母さん
「…そうねぇ。確かに思うこともあったわ。でも、それでも結婚したいとは思わなかったの。柚葉が男の人に無意識に苦手意識を持っていることは分かっていたし、お母さん自身もこりごりって感じだったのよ。男の人に騙されることは1度だけじゃなかったからね」