私のいきなりの質問に動きを止めるお母さん



「…どうしてそう思うの?」




ベッドに座っていた私の隣に腰を下ろすお母さん




「あれからもう5年たったよ?お母さんがずっと頑張ってること知ってるよ。もう私も遼祐も高校生になった。ここまでこれたのはお母さんのおかげだよ。お母さんには幸せになって欲しい」




ずっと言いたかった




“あのこと”があってから私たちのことばかり考えて、一生懸命働いていたお母さん




もう、私達の事ばかりじゃなくて、自分の幸せも考えて欲しい




そう言いたくても、言えなかった




お母さんをそんな風にしてしまったのは私のせいだから




私の腕の傷を見る度に悲しそうな顔をしてるのを知っているから