私には高校生からの記憶しかない。
同情や差別をたくさん受けた。
でも彼はそんな私を、受け入れてくれた。
好き、と言ってくれた。
…私も好きだよ。
彼を見上げて心の中でそう呟いた。
彼の隣で笑って過ごせてるのも日菜のおかげ。
教室の隅で俯いてた私を笑顔にしてくれたのも日菜。
日菜に出会えた私は本当に幸せ者だよ。
日菜に出会えて私の人生変わったよ。
ありがとう。
俯いてた私はもういない。
みんなと一緒に前を向いて
明るい未来を築いてゆく。
今日もいつもと同じ一日が始まった。
一人で過ごす高校生活の一日が。
私に声をかける人はいな「おはよぉー、美優(ミユ)。」
いな……くなかった。
私には高校生までの記憶がない。
そんな私は学校でも浮いていた。
そのため友達など出来るわけもなく、一人で高校生活を送っていた。
そう、先週までは。
毎週金曜日、私はカウンセラーの先生に相談している。
先週の金曜日もいつものように、相談していた。
友達が出来無い、という悩みを。
学校で浮いていても、私だって他の人と同じように友達が欲しい。
その日はいつもより気持ちが高ぶっていて、泣き叫んでいた。
そのため、廊下を通った日菜さんに話を聞かれてしまった。