はぁ、なんとか授業間に合って良かった


健夫大丈夫かなぁ?
間に合ったかな??


まっ!そこまでの責任は私にはもてません!!


無事午前中の講義も終え
いつものカフェで千里とランチ。


「いやぁ〜、なんか天。
急にカドが取れて丸くなったような感じ するわ〜!
ちょっと前までは私にしかそういうところ見せてくれなかったのに、なんか醸し出す雰囲気が急に変わった。」


ん?
そうかなぁ〜

私は無意識に顔を触って確認してみるけど、何も変わった様子はないけど。


「ぶっ(笑) 天がかわいいぞ(笑)
鉄の女の称号もそろそろ返上する時が 来たんじゃない?」


その時、少し離れた席の男子たちが
私たちの方へやってきた


私は素知らぬフリしてやり過ごそうとしたけど


あろうことかそいつらは私たちの席を取り囲むようにして近付いてきた


「うわぁ〜、やっぱそうだ!
安藤さんと森山さん!!
月と太陽だ!!」


「2人ともかわいいなぁ」


流すのが上手い千里は笑顔でかわすけど私はそんな起用な事は出来ないので


無視を決め込む


「うわぁ、安藤さんって間近で見ると
鳥肌立ちそうなくらい美人だね〜」


「本当だ、まつ毛ながっ!」


と言いながら顔を近づけて見てくる


オエーッ!やめてよ!
私そういう軽いの大っ嫌い。


近付いてきた奴の目をチラッと見て
心の中でキエロ!!と念じながら
目をそらす。


「天には近付かない方がいいかもよ?」


その気持ち悪い野郎たちにニコッと笑顔で言う千里。


ちょっと千里、あんたの笑顔はそんなに安くない!!


そんな眩しい笑顔をこんな軽いゲス野郎共に見せちゃダメダメよと千里に目で訴える



そしたら千里も私の方を見て何かを訴えている。


ん?千里??
なに???


千里の心の声を必死に読み取ろうとしてると



キャーーー


キャーーー


いやーかっこいいー!!


私の方見てー!


抱かれたーい!!


いやーーん!!


ん?
なんだか女子の黄色い声が次々に聞こえてきて、その声がどんどん近付いてくる


このカフェは苺パフェが最高に美味しいけど、この大学にはカフェやレストランがたくさんあり、いわゆる穴場カフェであまり騒がしくなることはないのに


なんなの?この盛り上がりようは!!



するとその女子の集団から


長身で桁違いのイケメンが出てきた


「おい!てめぇら、俺の女になんのよう だ?」


突然現れた桁違いのイケメンに、ナンパ野郎もビックリしたが、すぐに返事を返す。


「え?誰が誰の女だって?
俺はこの子に用があって、話してるん だけど?お前はいいなぁ〜!
よりどりみどりで。でも俺はこの子と話したくてこのカフェで待ってたんだ!」


と言って私の肩に手を回そうとした瞬間


パシンッと乱暴にその男の手を振り払った健夫。


「俺の女に触るんじゃねぇ!!!
あああん?
てめぇは何が言いてぇんだ?!
よりどりみどりだぁ?!
んじゃぁやるよ!おらぁよっ!」


と言って、健夫に取りついてる女の子の1人を適当に掴んで、そのナンパ野郎に投げつけた


「キャッ!」
ビックリした女の子が悲鳴をあげる。


た た たけお〜!!
やりすぎだよ〜〜


女の子ビックリしちゃってるじゃん。


「チッ!いらねぇよ!!俺は安藤さんが いいんだ!」


と懲りずに言うナンパ野郎


千里は下を向いて必死に笑を堪えている


私はナンパ野郎は視界に入れないようにしつつ、健夫の方に一歩進もうとしたら
またもや、ナンパ野郎に腕を掴まれた


「だから俺のに触るなって言ってんだろ うがぁっ!!
女なら好きなだけくれてやるわぁっ!」


と言いながら、次々に健夫の取り巻きの女の子たちをナンパ野郎に投げつける。

キャー!

いやー!

やめてー!


女の子たちのさっきとは違う悲鳴が。


ああ〜!
私がなんとかしなくちゃ!


「健夫!やめて。
私は大丈夫だから。
この人たちとは目も合わせて無ければ
口も聞いてないよ?」


と健夫の服の裾を掴んでニッコリ笑ってみた。


途端に周りが固まった


「安藤さんが…安藤さんが……笑った」


「森山さんと話してる時に笑ってるのを 遠目で見たことあるけど、間近で見ると やべぇ!!」

「すげぇ破壊力!!」

「カワイイ」

「心持ってかれた……」


取り巻きの女の子たちまで


「鉄の女が笑った…」

「太陽じゃなくて、月の方が笑った」

「ムカつくけどカワイイ」

「笑っただけでこんなにカワイイなんで 腹立つ」

「ふん!顔だけは最高だけど中身はどう だか?」


「きっと、性格はブスだよ!この女は」



もう!!なんなのよ!!
みんなして!!


私が笑ったらいけないわけ!!?


本当にムカつくなー!!



その時健夫が私の顔を隠すように
抱き締めた


「おい、てめぇら!
天の顔見るんじゃねぇ!」


「さっさと!失せやがれ!
このゲス野郎が!!」


私を抱き締めながらナンパ野郎たちを殺す勢いで睨みつける健夫


健夫は超絶イケメンで、頭も良くて、おまけに運動神経も抜群だか
腕っぷしも強いの。
小さい頃から顔が良すぎて誘拐されそうになったりと何かと大変で
護身術として柔道を小さい頃から習っててかなり強いのである。


さすがのナンパ野郎たちも
青くなって逃げて行った。


そして女子の取り巻き達にも健夫は容赦ない
「てめぇらも投げられたくなかったら
でていけっっ!!
女だと思って俺が手加減すると思ったら大間違いだぞっ!
俺は天以外は女と思ってねぇぞ!!
本当にやるぞ!おらぁっ!!」


「「「「「「ヒィーっ!!」」」」」」

「「「「「「キャーっ!!」」」」」」


逃げて行った……



「…天……大丈夫か?」


健夫はやっと私を離してくれて
目を合わせてきた。


「うん。ありがとう!
でも私は大丈夫よ?
あれくらい自分で追い払える。」


ニコッと笑って言ったら


「ダメだ!!俺が嫌だ。
お前にちょっかいかける奴は男だろう が女だろうが容赦しねぇから! 笑」



ねぇ、健夫。
あんたこんなにカッコよかったっけ?
ドキドキが止まらないじゃない。


私は胸のドキドキを抑えるために
ちょっと下を向いた。


だって、健夫の顔はイケメンすぎて
ドキドキを抑えられないから


見えないように
健夫の服の裾を掴んだまま……


「…天…どうした?俺のこと見て」


と言って、両手で顔を持ち上げられ強制的に健夫と目を合わせられた。


「……天、カワイイ……好きすぎる」


と言って
健夫が私にキスしようとした瞬間



私と健夫の口の間に手が入ってきた



「はい、そこまで!」



と輝くほど眩しい笑顔の千里がいた。



「ギャーーー!!健夫のばか!
恥ずかしいじゃない!」


「チッ!千里邪魔するんじゃねぇよ」


「あっ?!ちょっとあんた!
誰が天のピンチをメールしてやったと 思ってんの?!」


「そりゃ、感謝してるけど
キスくらいさせてから口挟めよな」


「天がかわいそうじゃないの!
ただでさえ、恥ずかしがり屋なのに
あそこで止めてあげないで
もししちゃってたら!前向いて歩けなくなっちゃうわよ!そしたらまた変な男に付け込まれるかもしれないし……」


千里……本当1番の友だよ!大好き!!


「千里〜〜!サイコー!!」

と言って私は千里をおもいっきり抱き締めた。


「てーーん。俺もそうされたい……」