そんな事を考えてたら

胸がカーーーッと熱くなって


ポロリと一粒の涙がこぼれた。


ああ、私の鉄が溶けてるんだ。


「ちょっ！天！！
どうしたんだ？？
腹でも痛いのか？？
泣くなよ。
それともまた俺が何かやっちゃったか？
天、泣くな。
天が泣くと実は俺
いつもいつも苦しかったんだ。
俺のせいなのに……
天…どうしたんだ？」



健夫が私の頬を触りながら
小さい子を慰めるように優しく優しく
泣いてる理由を聞いてくる



「…っごめん、……ちがう…の」


「ああ、わかったから
もう何も言うな…」



と言って引き寄せられ抱き締められた



「……健夫……すき」



「ん？…どうした天？何か言ったか？」



「……健夫…すき」



「へっ？！！今なんつった？？」



「…健夫……すきなの」


「はぁ〜？！ 」
健夫がガバッと私を引き離し
目を見開いて口をパクパクさせてる



「だーかーらー
健夫の事が好きになっちゃ…………」



言いかけて、健夫の目を見たら
真っ赤な顔して涙をポロポロ流してた



「健夫！！どうしたの？
泣かないで大丈夫？？」


今度は私が健夫を優しく抱き締めた


「……それ…ほんと？？」



「なにが？」



「……だから…その…
俺の事を…その…」



「私が健夫を好きってこと？？」


「ああああああ、わかった。
うん。はい……」



「何を今更テレてんのよ？
健夫だって、相当私の事好き好き言って たじゃない…（笑）」



「まぁそうなんだけど、
好きな女に振り向かれるって事が今まで無かったし、天変地異が起こっても
天は俺の事好きになってくれないと思ってたから……そのびっくりした」



「でも、私は健夫を好きになったよ。
………どお？感想は？」




「めちゃめちゃ嬉しい〜！！」




と言って、私の手を引っぺがし
再度健夫が私を包み込んで隠すように
ギューーッと抱き締めた。