その夜ーー

「俺はすべきことをする。だから、少し夜あけることになる。」

「ヤノウくん……」

「この町のためだ。ついでに、おまえの情報も集めなきゃな。」

ヤノウくんはひらりとマントをかぶった。

「いってらっしゃい。」

「あぁ。いってくる。」


私は見送った。ただ、ヤノウくんの背中を見つめていた。

私は少し思い出していたーー。