一つの家のドアをノックした。
「すみません。」
ヤノウくんが大きな声で言う。
すると、
「ま、また役人か!金は払ったばっかりだろ?!」
「いえ、誤解しないでください。旅人です。」
「ふん!その手にはのるか!!」
「………。はずれ…かな。この町は」
ヤノウくんは残念そうに言った。
「え……」
「完全に警戒状態だ。」
確かに、私と似ている。
「あの、私も声をかけてもいいですか?」
「いいけど…。追っ払うと思うぜ?」
「やってみます。」
ヤノウくんを真似て、ノックをした。
「まだなんかあるのか?!」
「あの、本当に旅人なんです!信じて…いただけませんか?」
「お、女の子?」
中が少しざわついた気がした。
すると、ゆっくりとドアが開いた。
男の人が出てきた。なにか武器をもっていたので、私は一気に血の気が引いた。
そして、後ろに下がってしまった。
すると、何か背中にあたった。
「おっと……大丈夫か?」
ヤノウくんだった。
「あ、うん。」
男の人が話した。
「男の子と、女の子か……」
「大丈夫そうか?」
扉から見えた限りでも、男の人ばっかりだった。
「あの、宿を探してるんですけど、ありますか?」
すかさず、ヤノウくんが聞く。
「宿はあったけど、女がいない。俺達だけなんだ……」
そう言うと、泣いてうずくまってしまった。