なにか、自分の中で制御してきたものがはじけそうな勢いだった。

耐えるんだ。怒りをおさえろ。あれを解き放つんじゃない。

そう言い聞かせていた。

ユアは正論を言い続ける。
だが、そんな言葉が彼に届くはずもなかった。

そしてついに、左手でユアの胸ぐらを掴み、魔法を唱えた。
右手からは炎が出ている。


その時、自分の中にあったものが弾け飛んだ。


「ヤノウ…?」


ずかずかとマール王に近づく。