ドアが勢いよく開いた。
「ユアっ!!!!!!」
「ユアちゃーん!」
声のするほうを向くと、ヤノウくんとわんこがいた。
「なんだ?!てめーら!」
ヤノウは息を整え、
「マール王、あなたに今やっていることを止めていただきたいんです。」
「なんだと?!」
「ある本を読ました。そこには、あなたのこと。そして、この町に来てから起こったことがつづられていました。あなたは、この国にたくさんのお金があるということを知り、ここの前の王を殺すと、前の王がいたことを魔法で消し、あなたが勝手に訪れてきたかのように装った。そして、反抗してくる者も次から次へと殺していった。」
冷たい透き通るような声で言う。
だが、顔は険しい。
怒ってる…のかな…?
「ふん!魔法さえ国も女もみーんな、手に入るんだからな!!女かって、あのきたねー町なんかにいたくねーから、ここに来てるんだよ!悪いのはあいつらだ!」
「違う!!」
私は思わず反抗してしまった。
「だ、だからそれは、あなたの魔法で操ってるだけです!それに…汚くありません。温かい場所です。平気で人を殺すなんて最低です。」
震える声で、王に言葉をはなった。
「あなたの言ってることは…違います。」
「ユアちゃん……」
「さっきから、ガタガタとうるせーんだよ!!」
胸ぐらを掴まれ、上に上げられた。
「ぅ……ぁ……」
もがくがなかなか離れない。息が苦しい。
左手から何か赤いものを出している。炎か?魔法で出しているのか、ぼやけて分からなかったが、気が薄れてきた。