「いってきまーす。ってうわ。さぶっ。」

もー。秋かぁ。

昨日まであんなに太陽出てたのに、今日はなんでこんなに寒いの?

いやだなぁ。

寒さに耐えながらトボトボと学校まで歩いた。

学校について上履きを取ろうとした時。

「あ。おはよ。」

「翔…」
1番会いたくなかった人に会ってしまった。


実は昨日から翔には多くのラブレターが来ていたのだ。

「またかよ。」

ガサッ

翔の下駄箱から何通かの手紙が落ちてきた。

「翔…て、モテるのね…。」

思った言葉を言ってしまった!

やばぁぁい

完全に不審者じゃん?

モテる人に嫉妬してるようにしか見えないよ…

「なんだよ…。嫌味?」

少し怒りが混じった声で翔がいう。

怒らせちゃった…

「いや、なんでもない。」

あぁ。

私…最悪だ…。


気を引こうとしたのに…

逆効果だよ…。


教室に行くと雛が可愛らしい髪型をして翔の席の前にいた。

「ましろちゃん!ウチ、今日こそ翔に認めてもらう!」

あぁ。そうですか。

なんか、もうどうでもいーよ。


「頑張って。」

それしか、言えなかった


翔が席に着いたその時

「翔?私がこれくらい翔のこと好きって教えてあげるからね?」

そう言って、雛は翔に抱きついた。

「…ろ。」

翔が低い声で言う。

「やめろ…。俺はおまえのことすきじゃないから。」

「…どい。ひどい。ひどいひどいひどいひどい!」

急に叫び出す雛。

「翔!なんでましろなの!?こんなやつ、なにがいいの!?可愛くもないしバカじゃん!なんで…?なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで!」

「だれも俺がましろのことすきだなんていってないだろ!」

翔も言う。

「うぁぁあぁ…。なんでよぉ…。」

雛が泣く。

「うぁぁぁぁぁぁぁぁん…!あたしのほう、何倍も翔のことすきなのにぃ…」

よく、こんなこと言えるなぁ。

私には無理だよ。


「雛…あのさ。俺はおまえのことすきじゃないから。かんちがいしないでほしいんだけど。」

ズキッ…

いくらなんでも、言い過ぎじゃないの?

さいってい。

パシッ

「…ってぇ。」

わたしは翔の頬をたたいていた。


「言い過ぎじゃないの!?雛ちゃんだってゆうきをだしていったのに!あんた、そんな人だったんだ…」

「…。」

翔…だまんないでよ。
反論してよ…

もうしらない。

どうしていいかわからない。


こんな思いも初めてだった。