席替えから1日たった。

本音を言うと私は翔が怖かった。

いつも真顔でツーンとしてて、周りの子はクールとか言うけど、あれはムッツリだろ…なんて考えることもあった。

ガラッ
「ましろー!おーっはよ!」
朝一番に夢が抱きついてきた。
「夢!おはよぉ‼︎」
夢とは席が離れてしまったけど、まぁなんとかしなきゃなと、何かを覚悟した。

キーンコーンカーンコーン

はー。席に着かないと。いやだなぁ。
そう思いながらも席に着いた。

机に突っ伏していじけてるわたしを隣に座る翔が見ていた。
「な、なに?」
さすがに見られてると恥ずかしくなって私はいってみた。
「やー。別に?」
別にって…じゃあなんで見るのー!?

やっぱり苦手…

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それから一週間が経ち…

いつもの授業が始まった。

教科は…
苦手な算数。

はぁ。全然わかんないよ。
「なにこれ?わっかんない。」
独り言をつぶやいていた私の手になにか暖かいものがふれた。

「あのなぁ。お前問題読んだ?」
触れていた暖かいものは……
翔の手だった。
鉛筆を握っている私の右手を優しく握って
「いい?ここは、こーするの。わかる?」
わ、わかるはずないじゃん。

きっと今私は顔が真っ赤だろう。

こんな気持ち、初めて…

1人でモヤモヤしてると。

「なぁ。聞いてる?」

「え?あ、うん!」
何も聞いてないけどね…!

「んー。そっか。んじゃ、あとはひとりでとけるね。」

といい、まっすぐ前を向く翔。

やばい。手の感覚がまだ残ってる…


私は授業が終わっても、家に帰っても感覚はきえることがなかった。