「ちょっと大神くんいい加減に……」


「凪先輩って意外と女子なんだね
腕もほっそいし、俺で隠れるくらいちっちゃい」


耳元で喋るその声に
私の全神経が研ぎ澄まされ……る訳ない!!


「離して!」


「おっ…と」


「大神くん、いい!?
あんたはいま大事な試合を控えてるし
こんなことして私も落ちると思ったら
大間違いだからね!?
大神くんが年上キラーだって噂
知ってるんだから!」


私は絶対に騙されない
しかも同じ部の後輩だよ?
ここで色恋沙汰なんて起こしたら
マネージャーとして失格!


「先輩、なに熱くなってんの?
ちょっとからかっただけだよ。べーっ」


「なっ…」


「じゃーねー意外と女子な中村マネ〜」


なにこの意味不明な敗北感
しかも大神くんなんかに