私が無理やり手を解いて振り向くと


「ほら大神くんじゃん」


後ろにいたのはやっぱり大神くんだった


「だって凪先輩は俺の事”大神くん”って呼ぶから
正解はお、から始まって、ん、で終わるだよ」


「そんなのただの屁理屈でしょ」


「屁理屈だか下手くそだか知らないけど
とりあえず俺の勝ち〜。アイスおごってー」


「何言ってんの、明日に備えて
今日は早く帰って体休めて」


「凪先輩」


「なに?」


手元に目を向けながら返事をした瞬間


「………っ!」


「ねー、いまの状況わかってる?」