「おっ、大神くんだって
女子に囲まれてキャーキャー言われてたくせに…」
大神くんはモテるから
あの光景は前から見慣れてる
でも今はそんな光景なんかみたくない
前よりもなぜかモヤモヤしちゃうから
「へー妬いてんだ?」
「なっ、別に妬いてなんか…!」
「俺は妬いたけどね」
「え?」
大神くんのその一言に
私の心臓の心拍数が瞬く間に上がっていく
ドクンドクン、とうるさいくらいに
「なんつー顔してんだよ。てか冗談だし」
「まっ、またそうやって
私でからかって遊ばないでよ…」
淡い期待が心の中で膨らんでいく
だって大神くんは嘘をつく時
必ず髪の毛を触るくせがあることを
私は知っているから