「あのっ、野田く…」


グイッー


「……っ!?」


「悪ぃ、ちょっと先輩借りるわ」


突然私の左手を引っ張ったのは
大神くんだった


「ちょっ、大神くん離して」


「部活の事で相談したい事ある
だからいま話したい」


「いやそれなら部活の時でも…」


「今じゃなきゃ無理」


「ちょっと大神くん…!」


呼び掛けに対して
まったく振り向こうとする素振りもなく
私はそのまま手を引かれ
野田くんから徐々に離れていく
野田くんはなぜか止めようとしなかった



「はあーあ、…やられた」