「おっ、大神くん!!」


教室を飛び出した私は
大神くんがいる中庭へとやってきた
野田くんにキスされた後でまだ混乱してるし
合わせる顔なんてないけど…
でも約束は守りたいから


「花火終わっちゃったよ」


「えっ」


周りを見渡してみると
先生たちが今まさに
片付けを始ようとしている時だった


「ごめんね大神くん
せっかく約束してたのに」


大神くんは私の方を一切振り向かず
そっぽを向いたまま
そりゃあそうだよね
約束破っちゃったから、怒ってるよね


「あのさ、先輩」


「なに?」



「……俺ら、別れよ」