「いっ、いや…大丈夫だよ?」


夏美にも心配されて、しかも野田くんまで…


「つーか中村が落ち込むとか、らしくねーよ
お前は強くて凛々しいイメージだからな」


「まぁ周りからはバレー部の
熱血マネージャーってイメージが
定着しちゃってるからね」


「でも俺は、お前がそんなに強くないって
ずっと前から知ってる
お前が昼間から無理して笑ってんのも」


「………っ」


野田くんは徐々に私の方へと近づき
気がつくと私との距離はわずか数センチ


「お前が幸せならと思って
今日ずっと諦めようか考えてたけど
悪ぃ中村、やっぱ俺無理だわ」


「えっ……?…っ」


温かくて柔らかい感触に
自分がいま野田くんに
キスをされてることを実感する
早くよけなきゃ、でも頭がフリーズして
体が……石みたいに動かなくて



「あいつより、俺にしとけよ」