ちょっと震えた野田くんの
握りしめた拳を見て
どれだけ緊張しているかが目に見える
きっと勇気をだして言ってくれたんだ

でもごめん、私には今
何にも変え難いくらい大切な人がいるの


「……ごめんなさい
野田くんとは付き合えない」


「おう、最初からわかってたよ」


「えっ」


「野田優希くん恋実らず!!」


司会の女の子がそう言うと
野田くんは黙ってステージから降りた


「ちょっと待って野田くん!」


どうしてかわからないけど
私はその背中を追いかけた