「まな、まな。聞こえてるの!」
 
 
「えっ…!ごめん…ぼーっとしてた。」
 
 
「なんか色々やばそうだよ早く逃げないと。」
 
 
 
私はなんだかよくわからなかった。
人が死ぬのを始めて見たからなのか私は時間さえも止まってるかのように思えた。
 
 
「これよりオープニングゲームを始めます
 
 
オープニングゲームは夢選挙。あなた達の存在価値を試したいと思います。」
 
 
夢選挙?なんだろそれ。
ママから聞いたのと全然違う。
 
「真理ちゃん…夢選挙ってなに?」
 
 
 
「そんなの私にもわかんないよ。
 
 
だいたいなんなのよこれ。扉はあかないしさっきから勝手に字が出てくるし。もう私嫌だ。」
 
 
 
「落ち着いて真理ちゃん。
 
 
とにかく冷静にならないと。」
 
 
 
嫌なのは私もだよ。
なんなのこれ。ドッキリなの?
ドッキリなら早く辞めてよ。もう充分だよ。
 
 
「オープニングゲームに参加していただける方は机の上のボタンを押して下さい。」
 
 
 
その文字が浮かんできたと同時にみんなが「押すわけない」だの「誰が参加するか」とか大声で叫び始めた。
 
 
 
クラスのみんなは反応はバラバラでひたすら何にきれてるかわからないけど叫んでる人もいれば怖がって端に寄ってる人もいれば吐いてる人もいる。
 
 
私はそのどれにも属さない。
私は冷静にボタンのところに行きボタンを押した。
 
 
 
ボタンを押すと前のモニターに私の名前が出てきた。
 
 
 
「まな…あんた正気?何かわからないゲームになんで…。」
 
 
「真理ちゃん。このゲーム参加しないと死ぬよ。たぶん…」
 
 
 
「えっ…?うそ。」
 
 
真理ちゃんは顔が蒼白になり私に倒れかかってきた。
 
 
「じゃあ参加するしかないの…?」
 
 
「たぶん。」
 
 
「ひめお前大丈夫かよ。絶対危ないやつだってあれ。」
 
 
 
澤田と一条も私達のところに寄ってきた。
 
 
「参加した方がいいよ。
 
 
だってもうゲームは始まってるんだから…」
 
 
その言葉を聞いて3人も何かを察してくれたのかボタンを押した。
 
 
その姿を見てクラスのほとんどの人がボタンを押し始め後ろの方で文句を言い続けてる3人組以外は全員ボタンを押し終わった。
 
 
 
「俺は絶対押さねぇからな。」
 
「俺も」
 
「俺もだ。正体のわからんものに参加なんかしてたまるか。」
 
 
なんでなの?
参加しないと危ないよ…。
だけどこいつらはそんなことを言ってもたぶん聞かないだろう…
 
 
 
「参加者が決まりました。
 
 
不参加の方はお疲れ様でした。」
 
 
そう出てきた文字を見て飛び上がって喜ぶ3人と参加した私達の温度差が凄かった。
 
 
「だから言っただろ。こんなん参加しないのが言いに決まってるって。
 
 
まぁせいぜいお前らは夢選挙だかなんだかしらねぇけど勝手にやってろ。」
 
 
「そうだそうだ。
 
 
 
俺らはもう無関係だからお疲れさん。じゃあねー。」
 
 
そう言って3人はカバンを持ち教室を後にしようとした瞬間1番後ろに立っていた3人の中では1番大人しそうな人が苦しみ始めた。
 
「おいおい。そうゆうのやめろよ気持ち悪い…うっ。ゴ、ボ、ハァァッ。」
 
 
先頭をきって文句を言っていたクラスでもちょっと浮いていた柳君が話してる途中に突然悶え始めた。
 
 
「おい柳までやめろよ。お前ら冗談がすぎるって…えっ?」
 
 
2番目にうるさかった秋川君も体をバキボキと鳴らしながら骨がぐちゃぐちゃに崩れていく。
 
 
「待ってくれよ…俺もほら…参加するからさ…やめてくれよ。」
 
 
他の2人は死んだが柳は苦しみながらも1人で叫んでいた。
 
「俺はまだ…まだ死にたくねぇんだよ…だから…た、ノノノゲグロギギギ。」
 
 
柳は話してる途中に身体中の臓器を全て吐き出し死んだ。