昨日までの平凡な日常が恋しくなるほど今の私の日常は狂っている。
 
 
 
絶望の部屋に参加する為には死ななければいけない。
もし参加しなければオープニングゲーム同様で殺されるに違いない。
 
 
 
目覚めは最悪でほとんど寝ることもできなかった。
なんせ呪文のように繰り返される「3日後までに死んでください。」と言う言葉が私の睡眠を妨害し寝ることもできなかった。
 
 
あの夢を見せられて寝れる鈍感野郎がこの世にいるなら見てみたいもんだよ。
 
 
 
今日は土曜日、パパの仕事も休みで家の中は少しいつもより静かだった。
 
 
土日はいつもこうだが私の今の心理状態からしてこの静けさは怖くて身が張り裂けそうな気分だった。
 
 
自分の歩く足音が誰かに追われてるように聞こえ、みんなの寝息すら私には怖く感じた。
わかっている。これがなんでもないことぐらい。
 
 
 
だけど私は3日後までにどちらにせよ1度しなければならない。
生き返れるかもしれないと言っているがそんなのはほんの1%ぐらいの言わば賭けみたいなもんだ。
 
 
それなのに私にこのゲームへの拒否権はない…。
 
 
 
 
家にいるのも嫌気が差し私は何も告げず家を後にした。
 
 
 
町内をブラブラと回っているとパトカーと救急車がそこらじゅうに走っていて私に安住の地はなかった。
 
 
 
そんな時1人の警察の人が私に声をかけてきた。
 
 
 
「ねぇ君。ここら辺で起きた高校生殺人事件について何か知らないかな?」
 
 
 
「殺人事件…ってなんですか?」
 
 
私はもう大体この時点でわかっていた。
殺人事件。一般の人から見ればそう見えるよね…。
 
 
 
「なんかねこの辺り一帯の高校生がオープニングゲームがどうのこうの言って寝たらしいんだけど…その眠りについた高校生達が不可解な死に方をしてるんだよ。
 
 
 
君も高校生だよね?何か知ってることがあったら教えてくれないか?」
 
 
 
やっぱりそうだよね…
みんな本当に死んだんだ。
しかも私達の高校だけじゃないんだな。
 
 
「あの…それは…。」
 
 
私は警察の人に話そうとした時あの言葉が頭によぎった。
 
 
「このゲームのことを外で他言してはいけません。」
 
 
私は空いた口をぐっと塞いだ。
 
 
「すみません。わ、私はな、何も知りません。」
 
 
「そうか…。ありがとう。
 
 
呼び止めて悪かったね。君も気をつけて。」
 
 
「は、はい。お力になれずすみませんでした。」
 
 
私はその場を逃げるようにして走って去った。
嘘をつくなと言ったりつけといったり…私はどうすればいいの?