「おい橘。頼む俺を選んでくれ。
 
 
なんでもするから、な?」
 
 
 
始まると同時や有川君が橘さんに向かって頼み始めた。
 
 
 
それに負けじと七野さんも橘さんに向かって必死に自分が生きれるように説得している。
 
 
 
私はただじっとしていた。
橘さんの目をじっと見たまま何も言わなかった。
 
 
 
「おい橘。
 
 
絶対俺を選ぶのがいいって。だって七野は前他のクラスのやつをいじめてるクズだし新庄なんか仲のいい友達を殺したやつなんだぜ。こんな奴ら生かすよりよっぽど俺の方が生きる価値があるとお前も思わないか?」
 
 
 
「待ちなさいよ。確かに虐めてたかもしれないけど今それは関係ないでしょ。
 
 
それにあんただって橘さんのことブスとかキモいとか愚痴ってたじゃない。
 
 
だから橘さん。私を選んで?私が1番マシだと思わない?だって人殺しにあなたのこと愚痴ってた奴よ。絶対私を選ぶのが1番いいって。」
 
 
 
人殺しか…。
この手で直接殺してないとは言え心が痛むな…。
 
 
なんで人は自分の為だけに生きるんだろ。なんでこんなに変われるんだろ。
 
 
昨日まで当たり前のように接してた友達を悪く言う理由は何?
心ではそう思ってるのになんてみんな隠してるの?
 
 
私にはみんなの気持ちがわからないよ。
 
 
「橘さん。
 
 
 
私はあなたのことを可愛いとは思いません。でも私はあなたと友達だと思ってます。この言葉に嘘はない全て真実です。」
 
 
 
「ありがとう新庄さん。正直に話してくれて。
 
 
2人は私のこと友達と思ってる?友達と思ってるなら言ってみてよ。」
 
 
 
「思って…。」
 
 
2人はそろって口を籠もらせた。
正直な気持ちを話すのがいい私はそう思った。
橘さんは確かに世間から見ても可愛いとは言えないだけど私の中では友達だと思ってる。
だから全て正直に話すのがいいと思った。
 
 
 
「決まりだね。新庄さん私はあなたを選びます。
 
 
また外に出たら遊んでね!」
 
 
 
そう言って私のボタンを押してくれた。
 
 
これで出られる。
オープニングゲームはクリアできたみたいだ。
 
 
 
「クソブスが。ちくしょう。何で俺が死なねぇといけねぇんだよ。
 
なぁゼツボウさん。もう一回。もう一回だけチャンスくれよ?頼むよ。」
 
 
 
ゼツボウはそう言った有川の横に立ち止まった。
 
 
 
しばらく動かないまま止まってそれから有川の方を見た。
 
 
「死ね。」
 
 
 
ボンと弾ける音同時に有川はぐちゃぐちゃになった。
 
 
血吹雪が飛び散りそれを見た七野も自分の身の危険を感じパニックになり始めた。
 
 
「待って。私何もしてないじゃない。
 
 
死にたくないのよ。お願いします。お願いします。」
 
 
ゼツボウの前に跪いて必死に命乞いを始めた。
無駄だと知っていても。
 
 
 
「どうやって死にたいですか?」
 
 
「いや。死にたくない。
 
 
…。新庄。てめえが死ねよ。私は1人も殺してないんだよ無実なんだよ。お前が私の代わりに死ねよ。」
 
 
 
本性を出し私に襲いかかってきた。
 
 
「八つ裂きですね。」
 
 
「えっ。うそ…待っ…て、、死に。」
 
 
体に線のようなものが出てきてどんどん体が切れていった。
 
 
みんながこんなのになったのも全ての元凶はこいつだ。
こいつを殺せば全てが終わる。
ゼツボウいつか必ず…。