「澤田君おめでとうございます。
 
あなたが始めての生還者です。
それでは次は絶望の部屋でお会いしましょう。」
 
 
「帰すのはちょっと待ってくれないか?
 
 
新庄と話したい。」
 
 
 
「またですか?これ以上なにを話すって言うんですか。
 
 
まぁ勝手にすればいいですけど。」
 
 
 
そう言われた澤田は私の方に歩いてきた。
 
 
 
何も話したくない。
今は何も聞きたくない。
もし嘘をついたら死ぬかもしれないもう私は話すのも嫌だ。
 
 
「なぁひめ…いや、新庄。
 
 
俺さ正直あの2人が自分の代わりに死んでくれた時悲しい気持ちよりホッとしてたんだ。」
 
 
 
私はその言葉に耳を疑った。
嘘をついてるようにも見えないし何を言っているかわからなかった。
 
 
「あんたそれ本気で言ってる?
 
 
あんたの為に…あんた為に2人は死んだのにホッとしたって何よ。あんたそれでも…それでも友達なの。。」
 
 
 
私はカッとなって澤田の腕に掴みかかり言った。
 
 
「わかってるよ。わかってるけど…じゃあ新庄、お前が俺と同じ立場ならあんなことできたのかよ。俺は…死ぬのが怖かったんだよ。2人が嘘を言ってるのはすぐわかった。
でも俺は動くことすらできなかった。
 
情けないし最低なのもわかってる。けど2人の為に今俺らができることはこんなところでメソメソ泣いてるんじゃなくて自分の命を無駄にしないこなんじゃないかな?」
 
 
 
 
 
 
 
「もういい。
 
 
早くどっか言って。今は見たくない。」
 
 
 
「わかった。
 
 
新庄。死ぬなよ。俺待ってるからなずっと。」
 
 
そう言うと澤田の体は光だし何処かに消えた。
 
 
 
確かに澤田の気持ちもわからないでもないけど私はどうすればいいかわからなかった。
 
 
なんて声をかけるのが正解で何が真実なのかもわからなかった。
 
 
 
「じゃあ次の夢選挙を始めましょうか。」
 
 
 
モニターにうつる名前には当然のことだが私の名前があった。
 
 
 
私以外の2人は七野楓、有川浩輔と書かれていた。
 
 
選ぶのは橘弥生と書かれていた。
橘さんとはたまに遊んだりしたこともありなかなか仲はいい方だった。
 
 
七野さんと有川君とは関わりはなかった。
 
 
 
真実を語ればいいんだ。
私は死ねない。2人の為にも。
また現実に戻ってちゃんと澤田とも話さないと。