「皆さん誰に入れるかお悩みみたいですね。
 
 
だけど悩む必要なんてほとんどの人はありませんよ。
 
 
えっと。高田俊介さん前に出てください。」
 
 
 
「ぼ、僕ですか…。いったい何をすれば…」
 
 
「簡単なことです。生かす1人を選んでください。他のいらないと思う2人はあなたの手で殺しても構いません。
 
 
さぁその三つのボタンのうちの一つを押してください。」
 
 
よかった…私じゃなくて。
なんて他人事のようにいってる場合じゃない。
 
いつ私が選ばれるかなんてわからないしこんな選択私には無理だよ。
 
 
 
イカにもオタクっぽくて眼鏡をかけていて顔もかっこいいとは言えない高田も私と同じように頭を抱えて悩んでいた。
 
 
 
「こんなの無理だよ…。僕には選べません。」
 
 
 
「ちょっと高田。私を選んでよ。
 
 
生きてここを出られたら私あんたのゆうことなんでも聞くしあんたと付き合うから。だから、ね？お願い高田。私あなたと一緒に居たいの。」
 
 
 
最早情けなく見えてくるがこれが当然なんだろう。
どんな手を使ってでも生き残りたい。
その気持ちはみんな同じなんだろう。
 
 
 
「あっ。そうそう。
 
 
この夢の世界での嘘は厳禁ですので本心で決めてください。「こいつは友達だからとか」心にも思ってないくせにそいつを生かしてしまうと自分が死ぬことになるので注意してください。」
 
 
 
なんなのよこのゲーム。
なんの為にこんなことするの？
私にはわからないよ。
 
 
 
目の色変えてジャッジされる側の人間はする側の人に自分を生かすように叫ぶ。
 
 
これが選挙？
こんなのは選挙じゃないよ。この選挙にはなんの意味もないのに…
結局はその人の本心。
こんな胸糞悪い演説と言うか本性を見せられても絶対その人の本心は変わらないよ。
 
 
 
私が悩む中部屋の中にボタンを押すバンっとなる音が響いた。
 
 
 
「決まったみたいですね。
 
 
 
生き残ったのは…神崎真子さんです。
 
 
おめでとうございます。」
 
 
 
「嘘だ…俺はまだ死にたくねぇ。」
 
 
「おい、高田お前…絶対殺す。待ってろ今…グッ…待ってろよ絶対…ガ、グギ…殺してやる…ガ…からな。ゴバァッ。」
 
 
 
坂口は腹から体が半分に割れ中の臓器を飛び散らした。
 
 
 
「嫌だ。俺は死にたくねぇよ。真子。なんでだよなんで俺を…あれ。手は？」
 
 
そう言った正木の体は所々に切れ目のような線が出てきてどんどん体が落ちていく。
 
 
 
そんな中勝ち誇った面で堂々と歩く神崎はなんとも情けなく見えた。
 
 
これがあなたの望んだ希望なの？
私はこんなんにはなりたくない。
間違ってるよこんなの…