とにかく、山本さんに促されながら、ソファーへ座った早紀だった。

早紀は、リングを確認しながら、


「今まで、大切にしまって置いてくれたのですか?」


と山本さんに聞くと、山本さんは遠い過去を思い出すかのように言った。


「ああ・・・実は光輝が亡くなるときに預かったんだ。
事故の知らせを聞いて俺は一緒に住んでいたから一番に駆けつけたんだ。
その時、光輝はまだ息もあって意識もしっかりしてたよ。
そして、自分の薬指にはめていたリングを抜くと俺に渡しながらいったんだ。
このリングとお揃いのピアスがあるんだ。
それと一緒にしてやって欲しいといったよ。
そして、その言葉が光輝の最後の言葉となったんだ。」


と山本さんが説明してくれた。