「まぁ、俺の弟の写真だよ!」


と山本さんが言うと、やっと早紀は言葉を発した。


「もしかして、光輝という名前でしたか?」


「神野・・・もしかして、神野の名前は早紀?」


と山本さんも何かを確かめるように言った。

もちろん、早紀は頭を縦に振り頷いていた。

それを見た山本さんも言葉を失ったようだった。

二人のあいだに、長い沈黙が流れた。