「一緒も何も、神野が一緒に来てくれれば俺も気兼ねなくいろんな店に行けて嬉しいよ!」


と山本さんが言った。


「私も、折角関西に配属されて自宅で自炊ばかりも寂しかったので、嬉しいです。」


と早紀も答えた。


「神野は同期の奴らって近くに配属されなかったのか?」


と山本さんが聞いたので、


「はい、残念ながらみんなバラバラでした。」


と早紀は配属発表の日を思い出しながら答えた。

たしかに同期で仲良くなった人もいたにはいたが、結局彼女は関東にそのまま配属されたので、それからは連絡を取るのは専ら電話だけになっていた。


「山本さんは、いつから関西へ来たのですか?」


と早紀が聞くと、


「ああ、俺はちょうど半年前に急に転勤の辞令が出たんだよ。」


と山本さんが言うものだから、早紀は光輝のことを思い出してしまった。