「おい、佐々木、ちゃんと教えてやれよ!」


ともう少し年上の人が、佐々木に指図していた。

でも、早紀はそんな指図の内容よりも、言葉に愛着があった。

そう、その上司は関東のままだった。

関西弁ではなかったのだった。

思わず聞いてみたかったが、早紀はやめた。

とにかく、今は仕事を覚えることで一杯だった。