「ただいまー」 ……と言っても陽は仕事だからいない。 俺の方が先に帰ってきたか…と思いながら静まり返った部屋へ入った。 リビングの電気をつけて、荷物を下ろす。 今の時刻はちょうど夕方の5時。 日も暮れてきた。 カーテンを締め切っていて真っ暗だった部屋にも、少し光りを取り込もうと思って寝室へ入る。 カーテンを開ければ、カーテン越しに広がったオレンジ色の空。 「……夕飯なににしよう」 そう言って振り返ったら… 「…あれ?陽?」