「返事は?ねぇ。早く。」

そう言って私の顔を上げる。
悔しい、こんなところまで似てるなんて。


顔を見たくなくて思わず目を瞑る。


「の、Noです!!」

やっとのことでそう返す。

「なんで?」

間髪入れずに返してくる。
振られるのがわかってたかのようだ。


「今日、会ったばっかですし、それに、あなたのことよく知りません!!
それに私は待ってる人がいるんです。」

その人から急いで離れながらそう叫ぶ。
やっぱり顔は見れない。

だからその人が今、どんな顔をしてるのかなんてわからなかった。