「…おじゃましまーす」
電気もついてないし…どうしたんだろ。
やっぱり帰ったほうがいいのかな?
部屋を見渡しながら歩いてるとリビングだけ明かりがついていた。
ここかな?
おそるおそるドアを開ける。
「…成瀬?」
パンっ‼︎パパパンッ‼︎
…え?
『香奈、誕生日おめでとー!』
そこにはクラッカーを持った成瀬の姿とミカと、あとミカの彼氏がいた。
「え…」
「え、じゃないでしょー?香奈今日で17
じゃん!」
「香奈言わねぇから俺知らなくてさ。ミカが教えてくれて、サプライズ計画してたわけ」
「うそ…」
そうだ。
たしかに今日は7月28日
あたしが生まれた日。
いろんなことがありすぎて
誕生日なんて忘れていたのに
嬉しすぎるよ…。
「さっ料理たくさん作ったし、食べよ食べよ!ケーキは食後ね」
テーブルの上にはたくさんの手料理。
まるでお店やさんみたいだった。
部屋は折り紙で作った輪っかが上がられて、誕生日おめでとうの文字。
「料理、俺も香奈のために頑張って作ったんだよ?」
「…っ」
「お?香奈ちゃん泣いてる!」
ミカの彼氏がそう言うと、他の二人もあたしの顔を覗き込んだ。
「ほんとだ〜!」
「お前泣きむしだな!」
「だって…嬉しすぎだよぉ〜」
こんなに盛大に祝ってくれるなんておもってなかったもん。
今までミカと成瀬がこそこそ話してたのはそう言うことだったんだね。
疑ったりして、ごめんね。
「さっ、今夜はパーっといこーぜ!」
『おー!』
ありがとう、みんな