『………お前、本当に観察力いいんだな』



そう言って間宮は私の頭を撫でた。

私が少しうつむいていたからなのかな。


(いつもなら、きっと怒鳴ってる………)



でも、なんだかその手が落ち着いて、

少しだけまた、顔を上げられなくなった。


間宮の声が耳元に響いてる間は……。



「………ちょっと、落とすために気になっただけだから」


やっと目に力を入れて間宮の顔を見た。



………ほら、また笑ってる。

なんで笑うの、意味わかんない。


とはさすがに、言えなかった。

…………その表情に見とれていた所為で。