「ケン、アキ、ちょっと話があるんだ」

担任の芝山が浮かぬ顔で声をかけた。

「クラス発表の練習、がんばってるな。タンポポの子も一緒になんて、おまえたちの方から提案されたときは本当にびっくりしたよ。俺も胸が熱くなっちゃってね。沢村先生とも話をして、できる限りサポートしていきたいって考えている」

「先生、何が言いたいんですか?」

アキが鋭く切り込んだ。

芝山のセリフは何か重大なことを言う前の前置きに聞こえた。

「ちょっと水を差すようで悪いんだけど‥‥」

芝山が切り出した。

「うちのクラスでも中学受験するやつらが半分くらいいるんだ」

「知ってます。でもみんなわかってくれていて協力してくれています」

「うん、子どもらはいいんだ」

「親ですか?」