コウの演奏はパーフェクトだ。

母親以外の声ではどうだろう。

心配になったので、ケンもおそるおそる歌ってみた。

しかしコウの様子はいつもとまったく変わらない。

よかった。

歌声とあわせることも問題はない。



次はボディーパーカッションだ。

僕はまず自分の手拍子から入ろうと思った。

「今日は『トップ オブ ザ ワールド』に手拍子を合わせます」

僕は紙にマジックで書きながら、果たしてコウに意味が伝わるだろうか、心配になった。

コウはいつもどおり何度も復唱している。

僕の心配など杞憂かもしれないな、と気を取り直して、

「では、ピアノ弾きます」

とコウに合図した。