「アキ。目え開けて」

サオリの声が聞こえる。

「さあ、早く、数えて」

アキは重圧に押しつぶされそうになりながら、静かに目を開けた。




まさか……。

信じられないよ。




六の一にいる全ての人の手が上がっていた。

「アキ、ちゃんと数えた?」

ユウコが笑っているのがぼんやり見えた。

何か言わなくちゃ‥‥。

「やだあ、ごめん。私なんだか涙が出てきちゃって、数えられないけど、みんな賛成ってことにしていいですか?」

声が震えるのを止められない。

でも、きっと私の顔は笑っているんだと思う。

「これで決まりだな!」

誰かが叫んだ。

割れんばかりの拍手の音が教室中鳴り響いた。