曲に入っていくに従って、僕はまだ父と暮らしていた頃のことを思い出していた。
この曲は、家族の思い出の曲だ。
僕が四年生になったばかりの頃、父がカーペンターズの楽譜を持ってきた。
「ケン、おまえこれ弾けるよな」
「うん、たぶん大丈夫だと思う」
ぱっと見た感じ、さほど複雑な音符は並んでいなかった。
「母さん、カレンね」
「エー、私が歌うの?」
「だって俺がベースをやるから、残りはボーカルだけだし」
母さんはそう言いながらも、楽しそうにマイクを持った。
実際演奏が始まったらいちばん母さんがはまっていたかもしれない。
父さんも久しぶりのベースを楽しんでいた。
僕はそんな父さんと母さんの姿が嬉しくて。
この時間がずっと続けばいいのにと思いながらピアノを弾いた。
こんなふうにして一夜限りのファミリーバンドが結成された。
カーペンターズの中でも特に人気のあった数曲を僕らは楽しんだ。
その中に『トップ・オブ・ザ・ワールド』があった。
その日は夜が更けるのも忘れて、僕らは音楽で一つになった。
この曲は、家族の思い出の曲だ。
僕が四年生になったばかりの頃、父がカーペンターズの楽譜を持ってきた。
「ケン、おまえこれ弾けるよな」
「うん、たぶん大丈夫だと思う」
ぱっと見た感じ、さほど複雑な音符は並んでいなかった。
「母さん、カレンね」
「エー、私が歌うの?」
「だって俺がベースをやるから、残りはボーカルだけだし」
母さんはそう言いながらも、楽しそうにマイクを持った。
実際演奏が始まったらいちばん母さんがはまっていたかもしれない。
父さんも久しぶりのベースを楽しんでいた。
僕はそんな父さんと母さんの姿が嬉しくて。
この時間がずっと続けばいいのにと思いながらピアノを弾いた。
こんなふうにして一夜限りのファミリーバンドが結成された。
カーペンターズの中でも特に人気のあった数曲を僕らは楽しんだ。
その中に『トップ・オブ・ザ・ワールド』があった。
その日は夜が更けるのも忘れて、僕らは音楽で一つになった。