「どうして、それを?」

コウの母の肩が震えていた。

「僕も見えたんです。今さっき」

ケンは彼女の様子から目をそらした。

「僕はコウくんがピアノに没頭しているときに見えたんです。天から光が降ってくるように現れて、コウくんの周りにきらきらと輝くんです」

僕は歯がゆかった。

コウの光がどんなものだったか、どんなに言葉を選んでも正確には伝えられないだろう。

それでも僕は僕の言葉で伝えるしかない。



「神様の光‥‥?」



コウの母は涙を流していた。

コウの母は微笑みながら泣いていた。



「本当にそうなのかもしれない……」


僕はもう一度思い返していた。